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- 正徳御礼式之儀ニ付大学頭様ヨリ平田直右衛門江御尋之一件并御返答書
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覚(平田直右衛門書付)
全15画像
収蔵品番号 | P3357 |
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指定 | 重文 |
名称1 | 覚(平田直右衛門書付) |
年月日 | 二月 |
差出・作成 | 平田直右衛門 |
宛所 | (なし) |
概要 | 正徳の朝鮮通信使来聘規式の件 |
品質 | 続紙 |
法量 | (1)15.8×46.0 (2)15.8×46.7 (3)15.8×46.8 (4)15.8×22.9 (5)15.8×29.3 (6)15.8×45.5 (7)15.8×46.7 (8)15.8×46.8 (9)15.8×31.0 (10)15.8×20.2 (11)15.8×41.7 (12)15.8×36.7 |
備考 | 端裏書「二月十七日ニ大学頭様江直右衛門致持参候得共、不差出罷帰御書付也、集書ニ記有之也」 |
通番 | 3154 |
紙数・丁数 | 12紙 |
員数 | 1通 |
階層情報、墨書等 | 15番箱内 15-10番巻子内 |
封紙 | |
包紙 | |
書出文言 | 一、正徳之節 |
書止文言 | 以上 |
翻刻 | 覚 一、正徳之節信使毎度無興いたし一々心ニ叶不申与御聞被成候由、其節階下江致迎送候事 ニ付、船中を始め大坂表ニ而も議論ニ及ひ漸相済申候、其後江戸江参候而御饗応之節 御相伴先規ニ違申候故、罷出申間舗与申候而及異難、且又諱の字御断申上候得共御聞 届無之ニ付論難ニ及ひ、落着双方之御書簡相改候様ニ成り、三使殊外難儀仕候、此三 ケ条何茂論難ニ及申たる事に御座候故、無上之風説ニ毎度無興いたし一々心ニ叶不申 抔与申成し候事歟と奉存候、右之外ニハ別而難儀かり候と心付候事ハ無御座候、毎度 上使被成下候事なと煩労ニ為存ニ而も可在之候得共、此方へ対し被申出事ニ而も無之、 其上御丁寧成ル被成方ニ御座候へハ難有与申より外ハ無之筈ニ御座候、門外下輿之事 館伴御出迎之義為申聞候ヘハ、深ク論難ニも存不申候、 一、諱の字之儀ハ御聞届無御座候段を至極難儀ニ為存様子ニ御座候、 一、御書簡外面之封式天和年ニ違申候故、是又請取候事難仕与申候、 一、正徳年三度登城ニ及候事ハ、天和年よりハ其数相増候得共、 御前江罷出相務候御規 式并御大名様方諸御役人様方之冠服又ハ御杯被下候御規式等、別而天和年ニ大分違候 事ハ無御座候故、是非を可申様も無御座候、殿上之間ヨリ直ニ 御前江出テ書簡箱を正 使御前ニ持進ミ候事天和ニ無之事ニ御座候得共、異難ハ少も不申候、 一、国書持進候時ハ、直中ヨリ御下段ニ入自分之拝礼以下ハ東之方ヨリ入候事、是ハ正使江申 達候時御尤之由申候、一 一、国書持進候時之拝礼天和迄ハ中段ニ而仕候へ共、正徳ニハ下段ニ被仰付候、此儀ハ其 節下段を前殿檜縁を広廂と名を御改被成、其通ニ為申聞候而中段下段と申名ハ不為申 聞候故、先規ニ違候段彼方心付不申候故ニ茂御座候哉、何之異難も不申候、御書付ニ 御礼之節進物上段中段之差別相見へ不申候故、上段中段急度相知候様ニ願候との儀有 之候得共、左様之義ハ其節朝鮮人不申事ニ御座候、 「上段中段急度相知候様ニ朝鮮人願申候との義ニ御座候へ共、左様之事ハ其節承不申義ニ 御座候、」(「急度相…」の上に貼紙有) 一、天和年御老中様方檜縁ニ被成御座候処ニ、正徳ニハ御前江御着座被成、天和年松の間 退候処、正徳年ニ者中門廊ニ退キ、其外殿中ニ護衛被設置候類ハ彼方へかまひ無之事 ニ候故、是非を彼方ヨリ可申様も無御座候、 一、三使被為召候儀、対馬守三使江申達候事者、天和以前之例ニ有之事ニ御座候、 一、進物を前ニ当テ拝仕候事、御手引之役被仰付候事、御役人様方本願寺江御入被成候時 冠服被為召候事、平人与同前ニ而ハ異国人見懸如何舗奉存候由、対馬守兼々申上候而 相済候事ニ御座候、 一、吹抜銀ニ而被成下候事、別而御礼ハ不申上候得共、珍重為存様子ニ御座候、 一、舞楽之事ハ、日本ハ世禄之風説ニ而候故ケ様之古楽も残居候与申候而、致感心候、 一、御馳走之様子華美ニ過候段嘲笑仕候与御役人様方ヨリ被仰上候由、是ハ御馳走之内如何 様之品を嘲笑いたし候と被仰上候御事ニ御座候哉、此方へハ曾而不承及相知不申候、 右之外天和与正徳との違目一々御合せ御覧被成候ハヽ、風説之通ニ候哉否之儀相知可申与 奉存候、大概世上之風説ハ何を見定め候事茂無御座、又一々吟味を遂候にても無之はつと 善悪を論し申候故、善と申候も悪と申候も不慥様ニ奉存候事之筋ニより朝鮮人悦申候而も 被仰付間舗事茂有之、又ハ異国人御接待之事ニ候故、成たけハ感悦仕候様ニ被仰付事も可 有御座哉と奉存候、此度ハ正徳年 日本国王与被遊候御称号を以前のことく御改被遊、至 而重キ 御名分正ク罷成、結構至極成御事ニ而諸人可奉感心御事ニ御座候故、其外之御規 式ハ新法ニ而さへ無御座候ハヽ、 御代々之内宜方ニ被遊可然歟与奉存候、 御称号御改 被成候一事ニ而天和之例を御用被成候段ハ分明ニ相知申候、信使之度毎ニ 御先代之式ニ 而も少宛御代々御改被成候事ニ御座候、此度とても 若君様御目見江相止ミ、御老中様方 御書簡之認様を始め全ク天和之例と申ニ而も無御座候ヘハ、願ハ天和之御規式を本与被成 候而、其外ハ御斟酌を以後世ニいたり享保信使之式と唱候様ニ有之候ハヽ、弥以御手前様 御吟味精ク公道成被遊方ニ御座候と人々存候而可然歟与乍恐奉存候、兼而存寄之儀も御座 候ハヽ、無遠慮申上候様ニと再三御内意被仰聞候、河内守様ヨリも其趣被仰付候ヘハ、御規 式之御事ニ而も心底を残シ置可申様も無御座、憚をも不顧為申上事ニ御座候、殊御諱字之 事二字在之候故御諱被成候ニハ及不申候得共、 御先代論難ニ及事ニ候間、先諱候分ニ仕 可然候との儀、其外 御先代之非を御顕被成候様ニ聞へ候儀如何と先頃被仰聞候段、乍憚 御尤千万奉存候、御規式之儀共ニ御恵存を御加江被遊度候事ニ奉存候、 右之趣承及見及候儀共少も増減無之、 御手前様御心容ニ茂可罷成歟与乍憚書付候而入 御覧候、御覧被遊候以後御返し被下候歟、又ハ火中被遊可被下候、以上、 二月 平田直右衛門 |
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