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対馬宗家文書の概要

 対馬宗家文書は、江戸時代の対馬藩(現長崎県対馬市など)の藩主宗家に伝わった、トップクラスの規模を誇る大名家の歴史資料群です。
 資料が膨大に残されているだけではありません。宗家は室町時代から江戸時代にかけて、日本と朝鮮との間で外交の実務と貿易を独占していたこと、また対馬藩が対馬藩庁、江戸藩邸、釜山倭館(わかん)などの各地に拠点を置き、広範囲に活動していたことにより、対馬宗家文書には、日朝関係史上、大変重要な資料や、江戸幕府と対馬藩との関係性がうかがえる資料が数多く残っているのです。このことは、対馬宗家文書が他の大名家の資料と異なる特色を有していることを示しています。

 対馬宗家文書は各地に分散し、保管されています。そのうちの一つ、九州国立博物館が所蔵する対馬宗家文書は、対馬藩庁に残った資料群の一部です。次に示す段階を経て、九州国立博物館の所蔵となりました。

1997年   文化庁が目録作成を開始
2001年   文化庁から東京国立博物館へ移管
2002年 3月 宗家文書調査プロジェクト会議発足
2002年 10月 マイクロフィルム撮影を開始
2003年 7月 目録確認作業を文化庁と共同で開始
2005年 4月 東京国立博物館から九州国立博物館へ移管

 九州国立博物館が所蔵する対馬宗家文書の大部分、14,078点が2005年6月に「対馬宗家関係資料」として国の重要文化財に指定されました。内訳は次の5つです。

  1. 「印章(図書・木印)」37点 朝鮮国から宗家や他の日本の通交者に与えられた図書(銅印)と、朝鮮国王印や足利将軍印を宗家が偽造した木印
  2. 「朝鮮国書契・書簡」16点 朝鮮国からの外交文書
  3. 「文書・記録類」13,780点 江戸幕府将軍や老中から対馬藩主宗家に出された御内書や老中奉書など
  4. 「書画・器物類」200点 藩主筆の書画や人形人参、調度類など
  5. 「文書箱」45点 江戸時代に対馬藩が文書や巻子を整理して収めた箱

 この他、九州国立博物館所蔵の対馬宗家文書には、未指定の明治以降の文書なども含まれており、質・量ともに豊かな資料群といえます。

 なお、対馬宗家文書の目録作成、データベース構築に関しては、以下の方々にご協力いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
 川島慶子、古賀直美、佐々木利和、高橋裕次、田代和生、冨坂賢、中野等、橋本雄、東昇、藤田励夫、松本純子、米谷均(50音順)

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収納箱別

文化庁から九州国立博物館へ移った際の現状を重視し、1~139番までの箱番号を与えています。その現在の箱番号から検索できます。